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HISASHIが共感する“ものづくり” 『RALEIGH』ライダースジャケットのスタンダードな魅力

HISASHIが原宿発ロンドン経由のロックブランド『RALEIGH』(ラリー)とコラボレーションでライダースジャケットをリリースすることが決定。今回発売となるのは、HISASHI自身が20年以上愛用しているアイテムを再現しつつ、細部にはこだわりのアップデートを施した2024年モデルです。RALEIGHの時代に左右されないものづくりの姿勢に共感を寄せるHISASHIに想いを語ってもらいました。

 

――さまざまなアイテムを世に送り出しているHISASHIさんですが、ライダースジャケットを作るのは初めてですか?

HISASHI 初めてです。僕の中でライダースジャケットってスタンダードなアイテムで、この20年間、秋冬の時期はずっと着ています。(今回コラボレーションすることになった)RALEIGHのライダースは、ツアー中に立ち寄った名古屋のT.W.I.M (THE WORLD IS MINE)というセレクトショップで出会ったんですよね。「カッコいいなぁ。こんなタイトなライダースを作るブランドがあるんだ」と思って。その日は買わなかったんだけど、どうしても気になって次の日に買いに行ったんです。それが出会いです。

――その20年前に一目惚れしたというライダースを持ってきていただきましたが、非常に状態も良くてカッコいいですね!

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HISASHI 自分でカスタマイズしながら、20年間飽きることなくずっと着ています。それだけ気に入って着続けているのに「作った人のことを知らないというのも変だな」と思って、今年に入ってから共通の知人を通じて、RALEIGHのデザイナー・TAKA5H1(タカシ)くんと会ったんです。僕が着ていることをファンの子が知って、RALEIGHのライダースを買い求めに行っていたという話もそこで初めて聞きました。そんな影響があったのも知らなかったので。RALEIGHはスタンダードなライダースをずっと作っていなかったのですが、今回やってみてもいいんじゃないかな? と。GLAY 30周年ということもあるし、自分の中のスタンダードを見つめ直すいい機会にもなるので、一回カタチにしてみましょう、ということで実現しました。

――作ってみていかがでしたか?

HISASHI いまの時代、いろいろなものが高くなっているんだなぁという実感ですね。当然ながら、ハイブランドのライダースなんて数十万円もするわけですが、このライダースはいいレザーを低コストでリーズナブルに皆さんに提供したいという思いを込めて制作しました。デザインも当時のものを踏襲しながら、ユニセックスで着られるように前合わせはどちら側でも止められるダブルファスナー仕様になっていたり、TAKA5H1くんがいろいろと考えてアレンジを入れてくれています。

――HISASHIさんが一目惚れしたデザインを再現していると。

HISASHI そうですね。昨今の海外で流行しているファッションのスタイル、ターミネーターみたいな感じもカッコいいんだけど、僕はこっちの方が好きだな。かなりタイトなサイズで着ています。

――サイズ展開もあるので、自分にあったサイズが選べるのもいいですよね。世の中的にはオーバーサイズのファッションがトレンドだったりしますが、このライダースはタイトなシルエットが印象的です。

HISASHI ロンドンパンクスですよね。もう数十年も前のムーブメントだから世の中では懐かしい感じになっているのかなと思いますが、自分にとってのスタンダードであり原点です。

――フロントの白い部分が非常に印象的です。こういうカラーリングのライダースジャケットは珍しいですね。

HISASHI (ロンドンパンクスが全盛期の)Seditionaries(※注)も、どれだけ他人と違うことを奇抜にやるかというスタイルだったわけで。バイカラー(2色)のライダースジャケットって、出会った時に「自分っぽいな」と思ったんです。そんなライダースに出会って、ずっと着続けている。僕は高校生の頃から着ている服があまり変わっていなくて、変わっていく世の中で変わらないもの、揺るがないもの、スタンダードなものをずっと好きでいる。これはもうアイデンティティだと思うんです。

※注
Seditionaries(セディショナリーズ):
ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンがロンドンで開いたお店。オリジナリティあふれる過激なパンクスファッションの発信源として知られ、お店の常連客がSex Pistolを結成。セディショナリーズの服を着た彼らのパフォーマンスは世界中に大きなインパクトを与え、パンクは世界的なムーブメントとなった。

――時代を経て愛され続けてスタンダードになるアイテムって、流行に淘汰されない強さがありますよね。

HISASHI これは楽曲にも通じる部分があるんですけど、どれだけ説得力のある作品でも、それを世に出すのはすごく勇気がいることなんです。自信がないと出せないものだから、もの凄いエネルギーをともなう作業なんですが、強い主張を世の中に発しているクリエイターの人達にはそういうものを感じますよね。時代を視野に入れないムーブメントを作りつづけるというメッセージをRALEIGHからは感じます。GLAYもそう。高校生の頃から変わらず揺るがない音楽を作り続けている。そういう姿勢がリンクするんじゃないかな。

――HISASHIさんのものづくりは、常々「自分が欲しいものを作っている」とおっしゃっています。

HISASHI 時代の流れに合わせていくことも大事だけど、「あの頃のスタンダードなアイテム」があってもいいのでは?と思っていました。なので、今回も作りたいものを作っていますね。ただ、売れないモノは売れないと思うし……正直な答えが待っていると思います。みんな素直ですから。でも、僕はこれからも服も楽曲も作り続けるかな。

――作る行為は楽しいですか?

HISASHI 僕の究極の趣味が音楽なんですけど、30年、40年やってもいまだにおもしろい。音楽は作った瞬間につまらなくなっちゃうんだけど、その先にミュージックビデオを作ると立体感が出て、ライブ会場で演奏すると曲が自分が見たこともないような作品になっていく。それって絶対に自分ひとりではできないことだから。ものづくりは、そういう変化が生まれるのがおもしろい。このライダースも購入した方が自分なりのカスタマイズをして、変化を楽しんでもらえたらいいなと思っています。パンクスってDIY(Do It Yourself)精神で安いものを買って、自分なりにカスタマイズして仕上げる。皆さんにもぜひそうしてほしいですね。自由な楽しみ方をファッションでも届けていけたらというメッセージも込めています。

sab

(左)HISASHI所有のオリジナルVer.
(右)今回発売となる2024Ver.

 

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